2011年04月23日

童心 

片田邦雄ーーどこ竹@竹とんぼ教室 代表幹事  

竹とんぼは手作りおもちゃ

 日本の遊びには大きく分けて二つのタイプがある。鬼ごっこ、かくれんぼのような身体を動かす遊びと、竹とんぼや水鉄砲のような手作りして遊ぶ道具(手作りおもちゃ)がある。

 竹とんぼは最もよく知られている手作りおもちゃである。費用がかからず、安く、ほとんど誰もが簡単に作れる。それは、二つの竹の板を削ることがすべてである。一つは羽に角度をつけてプロペラにし、もう一つはその中心にさす細い棒を丸くした軸である。
 完成すればすぐ飛ばせる。竹とんぼを作ったことがある人なら、大人になっても、空に舞う竹とんぼを見るとすぐに夢中になる。その時大人は童心に帰っている。

竹とんぼは作るのが面白い

 竹とんぼを自分で作る理由は、自分の手のサイズに合わせるためだ。土産物屋で出来合いの竹とんぼを買うことができるが、大人でないと良く飛ばせないように、大きすぎる。子どもにはずっと小さいものが向く。何故なら竹とんぼは手で軸を挟み、両手のひらをこすり合わせて回すのだ。

 竹とんぼは作るのが面白い。何故なら、ああでもないこうでもないと頭と手を使わなければならないからだ。
 ある人たちは竹とんぼ作りに子どもにナイフを使わせるのを恐れる。私の同世代は今の子供よりもナイフを良く使える。理由は使う機会が多かったからだ。今の子どもは不器用だと言うのは可愛そうだ。工作の時間に、子どもにナイフを使わせる前に、私は「決して刃の方向に手を置かない」という基本のルールを教える。
 このルールに従えば誰も怪我はしない。しかし最悪怪我しても、子どもは痛い経験を恐れることはない。それも学習の一つなのだ。

竹とんぼの歴史
 
 竹とんぼが最初にいつ発明されたかという記録がないが、江戸時代は盛んだったと知られている。奈良の神社の石灯篭に竹とんぼの絵の彫刻があるが、その灯篭には1805年に寄進されたと刻んである。この玩具はほとんどその姿を変えずに200年間日本に存在し続けてきた。

 面白いことに、この20年間に竹とんぼは革命的な進化が起こった。竹とんぼに夢中になる大人は改良を競う競技会ごとに様々なタイプを溢れるように開発した。結果として竹とんぼは120メートル飛び、高度45メートルに達し、今もその記録は進歩し続けているようだ。
 しかし、竹とんぼ飛ばしは、ただ面白いだけではない。最も面白いのは自分で作ることにある。自分で作るからこそ、もし良くとばなかったとしても楽しむことが出来るのだ。

竹とんぼで日本の誇る文化を広めたい

 この10年間文化交流に関わって、私は国外の人々に竹とんぼの作り方を教える多くの機会を得た。国外で、これは日本独自のおもちゃであり文化財だと、誰もが感動した。日本には独自性がないと言われ、日本人もそれを否定しないことがある。私はそうは思わない。こんなにユニークで奥の深い遊びを発明した日本は創造的な国の筈だ。
 竹とんぼが創造されている間は少なくとも日本の独創性に自信を持っている。

 私の夢は、竹とんぼを世界に普及させること。できることなら、名前をユニバーサルにしたい。ブーメランを誰もがブーメランと呼ぶように。もし誰もが日本語で「竹とんぼ」という名前を使うなら、日本を好きな人が各国で増えると思う。
 




どこ竹彩の国dokosai at 18:11│コメント
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